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2008年06月03日

新日石社長、原油130ドルなら「石油の自滅」

新日本石油(5001.T: 株価, ニュース, レポート)の西尾進路社長は2日、ロイターのインタビューに応じ、1バレル当たり130ドルを挟む水準で推移する原油価格が日本の元売り業界に与える影響について、「本当に深刻。130ドルは危機的水準といえる。石油燃料が自滅する。とてもではないが、(原子力や天然ガス、石炭など)他のエネルギーに勝てなくなる」などと語り、強い危機感を示した。

 原油価格の見通しについて西尾社長は「(現状から)もっと上昇する可能性もあるが、資金が原油市場から流出することもあるかもしれない」と述べ、現状では予測困難との認識を示した。西尾社長は「政府が発表したエネルギー白書では、原油価格は50ドルから60ドルが本来の価格で、30ドルから40ドルの投機資金の影響が上乗せされていると指摘するが、われわれと同じ見方だ」と語った。 

 <石油、2020年にかつての石炭の立場に> 

 原油価格の高騰を受け、石油元売り各社は6月出荷分の系列給油所向けのガソリンなど石油製品の卸価格を大幅に引き上げた。新日石は前月比で1リットル当たり12円程度の値上げ。6月に入って、レギュラーガソリンの店頭価格を170円台に引き上げる給油所が首都圏などで相次いでいる。西尾社長は、石油製品の販売環境について「消費者の節約は当然起きる。自動車の(保有)台数も減り、これからハイブリッド車や電気自動車が増えてくる。長期的な(ガソリン離れの)問題が心配だ」と語った。

 歴史的な原油高騰を受けて、石油会社には長期的な視点でエネルギー戦略の転換に関する本格的な検討が求められている。西尾社長は「2020年頃には、石油を取り巻く環境はかつての石炭のようになるのではないか、という考えを持っている。自動車用燃料の需要は今よりずっと速いスピードで落ちるかもしれない。エネルギーを扱う企業である以上、LNG(液化天然ガス)や石炭、燃料電池、太陽光発電など全体のエネルギーの中でどれに取り組むのか、長期的なスパンで変化に対応するための検討を進めている」と強調した。 

 <石油製品、輸出を強化> 

 ガソリンなど石油製品は国内では需要が減少しているが、アジアでは伸びており、市況も堅調。新日石など元売り各社は石油製品の輸出に力を入れている。同社は、日量23万バレルの輸出能力を2011年3月までに同26万バレルに拡張する計画だ。西尾社長は26万バレルへの能力増強について「前倒しするかもしれない」と語った。投資金額としては「数十億円」(西尾社長)としている。

 他の石油元売りでは、出光興産(5019.T: 株価, ニュース, レポート)が、三井化学(4183.T: 株価, ニュース, レポート)、ベトナムの石油会社のペトロベトナム、クウェートのクウェート国際石油と共同でベトナムに石油精製基地を建設する計画を発表。製品輸出からさらに踏み込んで、現地や周辺国の需要取り込みに動いた。西尾社長はこうした動きについて「検討したことはあるが、鉄など製油所の資材費、建設費がものすごく高く、なかなか(採算が)合わない。日量20万バレルの製油所を建設したら1兆円近くかかるのではないか」と述べた。
posted by 田中 at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 石油 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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